導入事例:関東学院大学 様
” astah*導入で、100名を超える学生が
自由にUMLモデル図を描画できる授業を実現 ”
横浜市にキャンパスを置く関東学院大学は、11学部14学科を有する総合大学です。法、経済、教育、看護といった様々な学部を有する大学の中でも、理工学部理工学科は産業界と密に連携し、実践的な学びが実現できる環境を整え、2023年4月には新コースの開設も予定されるなど、今後一層の広がりを予感させます。
ITの仕組みや構造を学び、将来のエンジニア人材を育成する情報ネット・メディアコースでは、情報工学分野、ネットワーク分野、マルチメディア分野に関する授業が行われ、学生らは個人で、あるいはグループでシステム設計を学びます。当コースでは2019年以降、astah*が提供している教育機関向けのファカルティサイトライセンスを学習環境として整備し、2022年度には100名を超える多人数での授業でも活用されています。
今回は情報ネット・メディアコース 元木誠 教授に、ファカルティサイトライセンス導入前に感じていた課題と実際の授業の様子、導入後の変化についてお話を伺いました。
” ファカルティライセンス導入で、全学生が自由にUMLモデル図を
描画・共有・ディスカッションできる環境を実現 ”
ソフトウェア工学の授業は履修者がかなり多いため、かつては授業の中で学生たちにどうやってモデル図を描かせるかという点に悩みがありました。例えば研究室の少人数であれば、ライセンスや費用を考えてもモデリングツールを比較的容易に導入できます。しかし、100名を超える履修者が居るような授業では、手書きやそれぞれ異なるアプリケーションで作成したモデル図を回収したり、添削する事が困難です。また、学生一人一人にライセンスが必要な場合、管理や費用の面で難しさがあり、ツールでモデル図を描画するような課題は提示していませんでした。
当時抱えていた課題は、次の三点です。
- 多人数の授業で、全ての学生にモデリングツールを自由に使わせたい
- 学生らが同じツールを用いて、UMLモデル図を描画する機会を提供したい
- 教職員、学生の全員が必要な時に利用できるライセンスの仕組みが欲しい
これらの課題に対してastah*ファカルティサイトライセンスを導入することで、思い描いていたソフトウェア工学の授業を実現できるようになりました。
astah*導入後、講義の半分がモデリングに取り組む内容に変化
2022年度は「ソフトウェア工学I」「ソフトウェア工学Ⅱ」、「ソフトウェア開発演習」の3つの授業で、astah*ファカルティサイトライセンスを利用しています。春学期(4月~7月)に実施した「ソフトウェア工学I」は理工学科のコース横断科目で、情報ネット・メディアコースの他、電気・電子コースや先進機械コースなど履修登録者は120名に上ります。また、昨年度まで20名ほどだった「ソフトウェア工学II」は今年度80名が受講予定です。いずれの科目でも14回の授業のうち、半分程度はモデリングに取り組みます。UMLモデル図の描画や改善を課題として提示できるようになったのも、ファカルティサイトライセンス導入により全ての学生が自由にツールを使用できるようになったからと考えています。
ソフトウェア工学の中でモデリングの大切さを感じており、学生の間にUMLモデリングによる設計を経験したことが、彼らにとって将来エンジニア職に就いた際に役立つのではないかと思っています。
” UMLを共通言語としてソフトウェア設計を話し合う学生たち ”
授業の概要と課題例
ソフトウェア工学I
前半ではソフトウェア開発の基礎知識(作業の流れやライフサイクル等)、開発プロセスについて講義で学び、後半ではモデリングについてUMLを中心に学習、実践する。学生らが日頃利用している「出席確認システム」を題材に、ユーザーインターフェースをモデリングする。ユースケース図、クラス図、各ユースケースのアクティビティ図で振る舞いや構造を表現するという課題。モデリングツール(astah* professional)の基本的な使い方は、WEBのチュートリアルで習得する。
ソフトウェア工学Ⅱ
コーディング作法、テスト手法やデバッグ、法律等、ソフトウェア開発で重要となる知識を獲得してから、「会議室予約システム」をモデリングする。既存システムの「予約する」機能についてユースケースやそのアクティビティ図を作成してから、例えばなりすましのような危険を想定して、仕様の中で認証機能を追加し、モデル図を改良する。改良にはモデル図自体の理解が必須で、それを問うような課題。
(例:授業資料より、会議室予約システムのクラス図)
ソフトウェア開発演習
民間企業のプロフェッショナルエンジニアが外部講師として参加する演習。
グループワークでロボット制御システムを設計する。テキストに従ってロボットを組み立ててから、応用として一部機能の追加や環境対応を課題としている。クラス図に加えてステートマシン図を描画する。実物のロボットを使用するため、ステートマシン図とロボットの動作をリンクさせて理解することができ、グループで話し合いながら構造を考える。グループ全員が設計と実装に携わり、モデル図とソースコードの両方が評価対象となる難易度の高い演習である。
” Discord(※1)で共有、ディスカッション ”
「ソフトウェア開発演習」は、「ソフトウェア工学I、Ⅱ」で得た知識や技術を活用し、さらに高度な応用課題に複数名のグループでトライしてもらう内容です。
昨年度からDiscord上にグループごとのチャンネルを用意して、グループで話し合いをする形を取り入れました。活発なグループは、Discord上でモデル図とロボットのソースコードを共有し、ディスカッションしています。
UMLが設計について話し合う際の共通言語として使われていると、彼らの様子から感じています。
(※1)Discord:PC、モバイル、WEBブラウザで動作するコミュニケーションツールで、音声、映像、テキストでチャットできる。
” 独自のヒント動画や解説資料が、
モデリングツールを使いこなす手助けに ”
モデリングツールはそれぞれできることや特徴が異なっていて、使い慣れれば簡単なことでも、初めて使う学生たちには見つけられなかったり難しく感じたりする手順があります。
astah*も同様で、特に「プロパティ」と呼ばれる細かい設定は毎年つまずく学生が現れるポイントです。ツールの基本的な使い方はastah*のWEBサイトにあるチュートリアルで身に付けてもらいますが、ヒントとなる動画や分析の観点を解説する資料を用意することで、学生たちがモデリングに集中できるように意識しています。
” 学生にとって使いやすいUMLツールを選定 ”
元々、astah*がJUDEと呼ばれていた頃からツールを知っていました。さらに、研究室の学生たちが参加していたロボットコンテストでモデリングツールとしてastah*が使われていて、学生たちが使い方に慣れていたこともastah*を選定した理由の1つです。
導入を決めた当時(2014~2015年頃)は別のツールも利用していましたし、機能の優位性も感じていましたが、授業で実際にモデルを描画する学生にとって使いやすいものを選択しました。
” ファカルティライセンスで、行いたかった授業を実現 ”
ファカルティサイトライセンスを導入することで、毎年100名を超える学生たちが実際のソフトウェア開発現場で利用されているモデリングツールを使ってモデル図を描画し、ソフトウェアを設計する機会を得られました。
特に「ソフトウェア開発演習」は、私自身がぜひ実現したいと願ってきた授業で、産業界とも連携して継続実施できており、ファカルティサイトライセンス導入前の課題を達成できたと思っています。
元木教授の研究室
ニューラルネットワーク、知能ロボットを研究対象とする元木教授の研究室(知能ロボット研究室)では、現在学生の皆さんがドローンを使って研究しているそうです。元木教授は、データサイエンスやAI、ディープラーニングを扱う学生らがUMLに触れる機会があれば良いと考えていると話してくださいました。
(知能ロボット研究室:各グループで赤枠内のドローンを操作している様子)
まずはお試しから
astah* ファカルティライセンスは、教育機関の学部、学科を単位としてそこに在籍する学生および、
教職員が制限なく使用できる便利で安価なライセンスです。
例えば学部設備としてPCルームにインストールする他、学生個人のPCや教職員の業務用PCでも利用できます。年間55,000円(税込み)
導入にあたって大学設備で動作確認をご希望の方は、以下フォームより2週間の無償評価をお申込みください。
(教職員の方からのお申込みに対応いたします)
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